Tuesday, March 4, 2008

白変印度平巻貝の片歌と前句付




ひっそりと去りぬる稚貝 ほろほろと崩るるほどに積もりゆくもの

ゆっくりと冷ゆる水槽  しろじろと夜のひかりを受け入れるもの

生きながら砕けたる殻  なまなまとかつて命を守りたるもの

卵塊の静かに堅く    ゆるゆると熟す命に水与うもの

閉じこもる色なき殻に  ころころとかつて稚貝と呼ばれたるもの

水草の裏に群がり    あかあかと生くる力を見せつけるもの

掘り難き小石に潜り   くろぐろと厳しき昼を受け入れしもの

日の当たる壁に取り付き ふるふると強き流れにとどまりしもの

歯のあるという口を閉じ するすると暗きよどみを進みたるもの

透明な殻白濁し     すじすじと身のかなしみを刻みたるもの

Monday, March 3, 2008

ラヴリー!ハッピー!チャーミー!

まばたきをわざとゆっくりするのでしゅまぶたの裏に見えるのでしゅよ

おしごとのときもベストのポケットに電源切ったケータイ。あなた♪

とけましゅね今日はなるべく席たって人とおはなししてあるきましゅ

へんでしゅねいつもと同じ色ナシのコンタクトでしゅ。きらきらでしゅか?

だめでしゅね送付状の担当者名にkisskisskissと書いちゃいました

これだから冬は好きでしゅ定刻が夕焼け雲を連れてきました

かわらなくそしてかわゆく見えるようゆうべ練習した化粧でしゅ

いやでしゅねあなたがめっさきらきらと眩しすぎましゅ反則でしゅよ

いい匂いあなたの匂いねえ貸していっしょにつけるでしゅよ。香水。

もこもこのコートを髪があふれましゅ撮れないくらい近づくでしゅよ

チャーミーにゅ。冬のはむはむぱらだいちゅ!ほわりぽわぽわ灯りとあなた。

大きなシャボン玉にふたりで入るでしゅあたりいちめんイルミネーション

ぴかぴかの階段に腰掛けてふたり白い吐息がまざりあうにゅん

くっついて(はぁと)一緒にゅ。どこ行くにゅ。次はカラフル春の国まで


  *初出:http://po-m.com/forum/ [2004年12月1日13時15分]