Friday, February 29, 2008

空のかさぶた

そののちを湿った風が撫でて去りオプティミストが静かに育つ

ライラックはしたないほど泣き叫ぶ記憶の路地が近づいてくる

のびやかな梅の若枝に花まぶす庭は口鼻ふさいで抜けろ

かまわない空を包んでいく今が最後の夕焼けだったとしても

さかさまに並べた本の背表紙に爪立てて目は窓を見ている

ブリキ缶ひとつ残ったゴミ捨て場ためらうな吸われる奪われる

たくさんの僕が世界を後にしてやがてひとりも見えなくなった

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